ホワイトバランスとは？ 写真と映像の色補正基本ガイド

ホワイトバランスは、撮影時の光の色味を調整する技術で、より自然な写真や映像を実現するために用いられます。

カメラやディスプレイが捉える光源の色温度は、\(K\)(ケルビン)という単位で表されます。

この数値に応じて、赤みや青みが強くなるため、ホワイトバランスはシーンに合った色味に補正できるよう設計されています。

例えば、室内照明や日光など、さまざまな環境下で異なる光の特性を考慮し、適切な調整を行うことで、撮影対象が本来の色に近く表現されるよう工夫されています。

ホワイトバランスの基本

定義と役割

ホワイトバランスとは、カメラが撮影する際に光源の色温度に合わせて画像全体の色味を補正する仕組みです。

光源の違いにより発生する色の偏りを調整し、実際に目で確認する場合と同じような自然な色再現を目指します。

• カメラは光源ごとに異なる色味を持つため、適正なホワイトバランス設定を施すことで、本来の色が正確に表現される
• 人間の目が白と認識する色を再現することが主な役割となる

色温度との関係

光源の色味は「色温度」として数値化され、単位はケルビン(K)で表されます。

• 色温度が低い光源(例：ろうそくの炎や白熱電球)は赤みを帯びる
• 色温度が高い光源(例：晴天時の太陽光や曇り空)は青みを帯びる

ホワイトバランスの調整により、これらの偏った色温度を補正し、正確な色表現が可能になる仕組みです。

撮影シーンでの重要性

撮影現場によって光の種類や強さはさまざまです。

そのため、ホワイトバランスは状況に合わせた色補正を行うための重要な要素となります。

• 屋外や室内など、撮影シーンごとに変化する光源に最適な設定が求められる
• 色の再現性を高めることで、作品全体のクオリティを向上させる効果がある

ホワイトバランスの調整方法

自動調整機能の仕組み

多くのカメラには「オートホワイトバランス(AWB)」と呼ばれる自動調整機能が搭載されています。

• カメラ内部で撮影シーンの光の特性を解析し、最適なホワイトバランスを自動的に適用する
• 手間をかけずに自然な色再現が実現できる点が魅力

手動調整の設定方法

プリセット設定の利用

多くのカメラには、太陽光、曇天、電球、蛍光灯などのプリセットが用意されています。

• 撮影環境に応じたプリセットを選択することで、手軽に適正なホワイトバランスが設定できる
• 現場に応じたプリセットがあるため、初心者でも安心して利用できる

カスタム設定の手順(グレーカード活用)

特定の撮影環境やより正確な色再現を目指す場合は、グレーカードを利用してカスタムホワイトバランスを設定する方法が有効です。

• グレーカードで撮影した画像を基に、カメラが色補正を行う
• 以下の手順で設定が可能
  • グレーカードを撮影シーンに設置する
  • カメラのカスタムホワイトバランス設定モードを起動する
  • 撮影したグレーカードの画像を選択し、設定を確定する

各種光源とその影響

自然光下での特性

自然光は太陽光が主体となるため、時間帯や天候の変化により色温度が変動します。

• 明るい日中は比較的高い色温度となり、青みが強くなる
• 夕方や曇り空では色温度が下がり、温かみのある色味となる

適切なホワイトバランス設定により、自然な色再現が実現できる

室内照明下での調整

室内では電球や蛍光灯が使われることが多く、これらの照明は色温度が低いまたは中間の設定となるケースが多いです。

• 白熱電球の場合は暖色系の色調になりやすいため、補正が必要
• 蛍光灯の場合は緑や青が強調されることがあるため、注意が必要

カメラのホワイトバランス設定を調整することで、より自然な色再現を得られる

特殊光源への対応

特殊な光源下での撮影では、一般的なプリセットが必ずしも最適な補正を行わない場合があります。

• LED照明や特殊な照明機器により、色味が大きく変化する場合がある
• 現場での臨機応変な手動調整やグレーカードを用いたカスタム設定が有効
• シーンごとにテスト撮影を行い、最適な設定を探る工夫が求められる

デバイスにおける応用

DSLRおよびミラーレスでの実装

これらの一眼レフカメラやミラーレスカメラは高いカスタマイズ性が特徴です。

• 詳細なホワイトバランスの調整が可能なため、撮影シーンに合わせて細かな設定が行える
• プリセットだけでなく、カスタム設定を用いることで、理想に近い色再現が実現できる

スマートフォンカメラの機能

最近のスマートフォンカメラは、ソフトウェアのアルゴリズムにより高度なホワイトバランス補正が施されています。

• オート機能が非常に進化しており、手軽に美しい写真を撮影できる
• 撮影シーンに応じた自動補正が行われるため、初心者でも安心して利用できる

映像制作における活用

映像制作では、連続するシーン間での色再現が重要となります。

• 各ショットごとにホワイトバランスが統一されていることが、作品全体の印象を左右する
• 映像制作用のカメラやモニターには、ホワイトバランスを正確に調整する機能が搭載され、後処理でも色補正が行いやすい

まとめ

ホワイトバランスは、撮影における色再現の精度向上に不可欠な要素です。

自動調整機能により手軽に正確な色補正が実現できる一方、手動調整でより細かな設定が求められる場面も存在します。

各種光源ごとの特性を理解し、適切な設定手法を選択することで、写真や映像が持つ本来の魅力を最大限に引き出すことが可能となります。