whatisコマンドとは？Linuxで使えるシンプルなヘルプコマンド

whatisコマンドは、Linuxで利用できるシンプルなヘルプコマンドで、指定したコマンドの概要を簡潔に表示します。

例えば、whatis lsと入力すると、lsコマンドの基本的な機能説明が表示され、マニュアルページ全体を参照せずに必要な情報を素早く得ることができます。

このコマンドは、システムのwhatisデータベースを利用しており、データベースが最新であることが正確な情報提供に重要です。

whatisは、コマンドの使用目的を迅速に理解したい時に非常に便利です。

whatisコマンドの概要

whatisコマンドは、LinuxやUnix系のオペレーティングシステムで利用可能なヘルプコマンドの一つです。

このコマンドは、指定されたコマンドやプログラムの簡潔な説明を表示するために使用されます。

主に、システム内に存在するさまざまなコマンドの概要を迅速に確認する際に役立ちます。

主な特徴

• 簡潔な説明: 各コマンドの短い説明文を提供し、コマンドの目的や機能を理解する手助けをします。
• 検索機能: キーワードを基に関連するコマンドを検索することが可能です。
• データベース利用: whatisコマンドは、システム内のマニュアルデータベースを参照して情報を提供します。

whatisコマンドは、ユーザーがシステム内で利用可能なコマンドの全体像を把握する際や、新しいコマンドを学ぶ際に非常に有用です。

基本的な使い方

whatisコマンドの基本的な使い方は非常にシンプルです。

以下に基本的な使用方法とオプションについて説明します。

基本構文

whatis [オプション] コマンド名

使用例

1. 特定のコマンドの説明を取得する

whatis ls

ls (1)               - list directory contents

この例では、lsコマンドの簡単な説明が表示されます。

2. 複数のコマンドについて説明を取得する

whatis ls cp mv

cp (1)               - copy files and directories
ls (1)               - list directory contents
mv (1)               - move (rename) files

主なオプション

• -m : マルチセクションモード。複数のマニュアルセクションから情報を検索します。
• -w : ワイルドカードを使用した検索。部分一致でコマンドを検索します。

注意点

• データベースの更新: whatisコマンドはマニュアルデータベースを参照するため、最新の情報を反映させるためにはデータベースの更新が必要です。更新は通常、makewhatisまたはmandbコマンドを使用します。
• インストールの必要性: 一部のシステムでは、whatisコマンドがデフォルトでインストールされていない場合があります。その際は、パッケージマネージャを使用してインストールする必要があります。

データベースの管理

whatisコマンドは、システム内のマニュアルデータベースを参照して動作します。

このデータベースの管理と更新は、whatisコマンドの正確な情報提供にとって極めて重要です。

データベースの構成

• マニュアルセクション: マニュアルは通常、複数のセクションに分かれており、各セクションには特定の種類のコマンドや関数が含まれています。例えば、セクション1はユーザーコマンド、セクション2はシステムコール、セクション3はライブラリ関数などです。
• データベースファイル: whatisコマンドは、これらのセクションごとに整理されたデータベースファイルを参照します。一般的には、/usr/share/man/whatisや/var/cache/man/whatisなどのディレクトリに格納されています。

データベースの更新

マニュアルデータベースは、システムに新しいコマンドやマニュアルページが追加された際に更新する必要があります。

以下のコマンドを使用してデータベースを更新します。

• makewhatisコマンド

sudo makewhatis

このコマンドは、システム内のすべてのマニュアルページをスキャンし、whatisデータベースを再構築します。

• mandbコマンド

sudo mandb

mandbは、より新しいシステムで使用されることが多く、whatisと同様にマニュアルデータベースを更新します。

トラブルシューティング

• データベースが存在しない場合: whatisコマンドを実行しても結果が返ってこない場合、データベースがまだ作成されていない可能性があります。その場合は、上記の更新コマンドを実行してデータベースを作成してください。
• データベースが古い場合: 新しいコマンドや更新されたマニュアルページが認識されない場合、データベースが古くなっている可能性があります。定期的にデータベースを更新することで、最新の情報を保持できます。

実用的な活用例

whatisコマンドは、そのシンプルさにもかかわらず、多くの実用的なシナリオで役立ちます。

ここでは、具体的な活用例をいくつか紹介します。

新しいコマンドの探索

システムに新しくインストールされたコマンドの概要を確認したい場合、whatisコマンドを使用することで迅速に理解できます。

whatis curl

curl (1)              - transfer a URL

この情報により、curlコマンドがURLの転送に関連していることが一目でわかります。

スクリプト内での利用

シェルスクリプトや自動化スクリプト内で、特定のコマンドの存在や概要を確認する際にwhatisを利用できます。

例えば、スクリプト内で依存するコマンドが正しくインストールされているかをチェックするために使用できます。

if ! whatis git > /dev/null; then
    echo "gitコマンドが見つかりません。インストールしてください。"
    exit 1
fi

コマンドの説明を確認する

複数のコマンドが存在する場合、それぞれのコマンドの役割を確認することで、適切なコマンドを選択する手助けとなります。

whatis grep sed awk

awk (1)              - pattern scanning and processing language
grep (1)             - print lines that match patterns
sed (1)              - stream editor for filtering and transforming text

これにより、各コマンドの基本的な用途を比較検討できます。

結合検索の活用

部分一致検索を利用して、関連するコマンドを一括で検索することも可能です。

例えば、「network」に関連するコマンドを探す場合：

whatis *network*

ifconfig (8)         - configure a network interface
iwconfig (8)        - configure wireless network interfaces
netstat (1)         - Print network connections, routing tables, interface statistics, masquerade connections, and multicast memberships

このように、関連するコマンドを一度に一覧で確認できるため、ネットワーク関連の作業に必要なコマンドを効率的に把握できます。

以上のように、whatisコマンドは日常的な作業からスクリプト作成、システム管理まで、幅広い用途で活用できる強力なツールです。

そのシンプルさゆえに、初心者から経験豊富なユーザーまで、誰もが手軽に利用することができます。

まとめ

この記事では、whatisコマンドの基本的な機能から実際の活用方法まで詳しく説明しました。

whatisコマンドを活用することで、Linuxの操作がより効率的になるでしょう。

ぜひ、日常の作業に取り入れてその利便性を体験してください。