プログラムステップ法とは? ソースコード行数で見積もるシンプルな工数算出の手法
プログラムステップ法は、ソフトウェア開発の際に開発規模や工数を見積もるための手法の一つで、主にソースコードの行数を基準として計算を行います。
例えば、実際のアプリケーションが\(5000\)行のコードから構成され、1行あたりのコストが\(200\)円で計算される場合、全体のコストは\(\displaystyle 5000 \times 200\)として求めることができます。
この方法は、コード行数という具体的な数値に基づいてお見積もりができるため、比較的シンプルに計算プロセスを進められる点が魅力です。
プログラムステップ法は、開発初期の段階で大まかなコストや規模を把握する際に活用されることが多く、ITプロジェクトの関係者にとって有用な手法とされています。
手法の基本的な考え方
本項では、ソースコードの行数をもとに開発規模や工数を見積もるシンプルな方法について解説する。
直感的かつわかりやすい手法で、初期段階での予算や計画の立案に活用できる。
ソースコード行数を活用した計測方法
この手法では、ソースコードの行数(LOC: Lines of Code)を単位として、プログラム全体の規模を評価する。
具体的には、以下の手順で進める。
- プログラム全体のソースコード行数を数える
- 開発過程で見積もられる1行あたりの標準的なコストを設定する
- 全体の行数と単価を掛け合わせることで、総工数または総費用を算出する
この方法は、初期の見積もり段階で簡単に規模を把握できるため、プロジェクトの計画を素早く立てるのに適している。
コスト算出の基本数式
ソースコード行数に基づくコスト算出は、基本的には下記の数式で計算される。
総工数(または総費用) = ソースコードの行数 × 1行あたりのコスト
たとえば、プログラムが5,000行で、1行あたりのコストを200円と見積もった場合、計算は以下のようになる。
5,000行 × 200円/行 = 1,000,000円
このシンプルな計算式により、開発規模を迅速に把握することが可能となる。
開発現場での活用メリット
ソースコード行数を用いた見積もり手法は、現場で特定のメリットがある。
計測方法がシンプルなため、初期段階での計画立案において多くの現場で利用されることが多い。
客観的な数値に基づく規模把握
この手法の最大の利点は、客観的な数値に基づいて開発規模を評価できる点である。
具体的には以下のようなメリットがある。
- 計測結果が数値として現れるため、第三者にも説明しやすい
- プロジェクトの初期段階で大まかな工数や費用を算出できる
- 過去のプロジェクトデータとの比較が容易となる
初期見積もりによる迅速な計画立案
初期段階でコストを算出することにより、プロジェクトの予算やスケジュールを早期に確定することができる。
これにより、以下のような効果が期待できる。
- プロジェクト開始前にリスクや課題を明確化できる
- 開発チーム内で共通の認識を持ちやすくなる
- 迅速な意思決定をサポートする
利用時の留意点
手法を利用する際は、いくつかの点に注意が必要である。
特に、プログラミング言語や記述スタイルの違いが見積もり結果に大きく影響を及ぼすことがある。
プログラミング言語ごとの違い
各プログラミング言語は、1行あたりの情報量や表現方法が異なるため、同じ行数でもプログラムの内容が大きく異なる場合がある。
具体的な留意点は以下の通りである。
各言語における1行の意味と影響
- 一部の言語では、1行に多くの処理が詰め込まれている場合があり、他の言語と直接比較することは難しい
- コードの記述スタイルにより、同じ機能を実現する場合でも行数に差が生じる
- 計算式の単位としての「1行」の定義が曖昧な場合があるため、標準化が求められる
記述スタイルのばらつきと単位コスト設定の検討
実際の現場では、各開発者が異なる記述スタイルを持っているため、同一機能を実装する際でも行数にばらつきが生ずる。
これに対しては、以下のポイントを考慮する必要がある。
- 開発チーム内でコーディング規約を設定し、行数の算出基準を統一する
- 過去の類似プロジェクトデータを参考に、経験に基づいた単位コストを設定する
- 見積もり結果が実際の工数と乖離しないように、定期的な再評価を実施する
実例に基づく計算方法の応用
具体的な数値を用いることで、手法の有効性や適用方法がより明確になる。
実例を参考に、計算方法や見積もり結果の活用例を解説する。
数式を用いた具体的な計算例
ここでは、典型的な計算例を示す。
例:5000 × 200の検証
- プログラムの全行数:5,000行
- 1行あたりのコスト:200円
計算式は以下のようになる。
5,000行 × 200円/行 = 1,000,000円
この結果をもとに、プロジェクト全体の費用を大まかに把握することができる。
シンプルな計算式であるため、初期の予算策定において役立つ。
見積もり結果の業務活用方法
見積もり手法で得られた数値は、以下のように業務全体の計画に活用できる。
- プロジェクトの予算計画に組み込み、資金調整の根拠とする
- 開発期間の目安として、スケジュール策定の基礎データに使用する
- プロジェクト管理ツールにデータを反映し、進捗状況のモニタリングに活かす
また、定量的な見積もりをもとに、関係者間でのコミュニケーションがスムーズになる点も大きなメリットである。
まとめ
ソースコード行数を活用した見積もり手法は、シンプルで直感的な特徴を持つため、初期段階の計画立案に非常に有用である。
数値に基づく評価により客観的な見積もりが可能となる一方、プログラミング言語や記述スタイルの違いに注意する必要がある。
実例を通して数式の応用方法を理解することで、現場での効率的な業務遂行に繋がる。