RAID 1とは?データ冗長性で安心運用を実現する仕組み
RAID 1は、同じデータを複数のハードディスクに保存することで、万一の故障に備える技術です。
例えば、500GBのディスクを2台並べた場合、実効容量は500GBとなります。
読み取り性能が向上する可能性があり、信頼性を重視する環境で広く利用されます。
RAID 1の仕組み
RAID 1の定義
RAID 1は、複数のハードディスクに同じ内容のデータを保存する仕組みです。
複数のディスクに同一データを書き込み、万が一1台のディスクに障害が発生しても、残りのディスクからデータを参照できる仕組みになっています。
この方式は、データの保護を重視する環境でよく採用されます。
ミラーリングの動作原理
ミラーリング方式では、データが同時に複数のディスクへ書き込まれます。
- 書き込み時、データが複数のディスクに均等に分散される
- 読み取り時は、複数ディスクから同時にデータを取得し、効率的なアクセスを実現する
これにより、ディスクのいずれかで障害が発生しても、他のディスクからデータを確実に読み出すことができます。
ディスク構成と実効容量
RAID 1構成では、一般に使用可能な容量は搭載したディスクの容量の半分となります。
たとえば、500GBのディスクを2台組み合わせた場合、実際にデータ保存に利用できる容量は500GBになります。
- 実効容量の計算例
- ディスク台数が2台の場合:総容量 ÷ 2
- 耐障害性を優先する分、容量効率が下がる特徴があります。
RAID 1の利点
データ冗長性による安全性
RAID 1は、同じデータを複数のディスクに書き込むため、
- 1台のディスクに障害が起きても他のディスクにデータが残る
- システムのダウンタイムを最小限に抑える
そのため、データ消失のリスクを大幅に軽減する仕組みがあります。
読み取り性能の向上
読み取り時は、複数のディスクから同時にデータを取得することが可能です。
- 読み取り要求を複数ディスク間で分散できるため、
読み取り速度の向上が期待できる
- 特に、読み取りが頻繁な環境ではメリットが大きくなります。
RAID 1の注意点
書き込み性能への影響
RAID 1では、書き込み処理が複数ディスクで同時に行われるため、
- ディスク同士で同期を取る必要があり、
単一ディスク構成に比べて書き込み速度が低下する可能性がある
- 高負荷の書き込み処理が発生する環境では注意が必要です。
容量効率の低下
データのミラーリングを行うため、
- 設置するディスクの総容量のうち半分しか利用できない
- コストパフォーマンスを重視する場合には、容量効率の低さを理解して導入する必要があります。
障害時の対応ポイント
万が一ディスクに障害が発生した場合、
- 障害ディスクの早期交換が重要となる
- 交換後、システム全体のデータを再同期する作業が必要
- 障害検知後は、速やかにバックアップや交換作業を行うと良いです
RAID 1の利用シーン
中小規模システムでの活用例
中小規模システムでは、データの安全性を重視するケースが多いです。
- サーバやワークステーションのデータ保護のため
- シンプルな構成で導入する場合に向いています
RAID 1は、手軽に冗長性を取り入れることができるため、中小規模環境で高い信頼性を確保する手段として利用されます。
ミッションクリティカル環境での適用ケース
ミッションクリティカルなシステムでは、システム全体の稼働がビジネスに大きな影響を与えます。
- 重要データが含まれるシステムでの採用が検討される
- 障害発生時に即座に別のディスクへ切り替えられるため、業務への影響を最小限に抑える
特に、停電やハードウェア障害などの突発事態に備えて、RAID 1の冗長性が有用です。
まとめ
RAID 1は、複数のディスクに同一データを保存するシンプルな冗長性確保の仕組みです。
安全性が高い反面、容量効率や書き込み性能には注意が必要です。
データ保護が最優先される環境や、読み取り性能向上が期待される場合に適した選択肢になります。