ハードウェア&OS

BIOSアップグレードとは？基本手順と注意点でパソコンの性能向上を実現する

BIOSアップグレードは、PCの基本入出力システムであるBIOSを新しいバージョンに更新する作業です。

従来はEPROMが用いられていましたが、現在はフラッシュメモリーでソフトウェアから簡単に書き換えができるため、バグ修正や性能向上を図ることが期待できます。

目次から探す

BIOSの基本知識
- BIOSの役割と機能
- フラッシュメモリーの導入経緯
アップグレードによる性能向上の意義
- バグ修正による安定性の向上
- 新機能追加の効果
アップグレード前の準備
BIOSアップグレードの手順
アップグレード後の確認とトラブルシューティング
- 動作確認と起動チェック
- 不具合発生時の初期対応方法
まとめ

BIOSの基本知識

BIOSはパソコンの起動時にハードウェアを初期化し、OSのロードに必要な環境を整える基本プログラムです。

パソコンのブートプロセスにおける中核的な役割を担い、ハードウェアとソフトウェアの橋渡しを行います。

また、システムトラブル発生時の初期診断にも利用されるため、安定した動作の基盤となる重要なコンポーネントです。

BIOSの役割と機能

BIOSは以下のような機能を果たします。

起動時のハードウェアチェック(POST：Power-On Self Test)
CPU、メモリ、ストレージなどの基本的なデバイスの初期化
OS起動を可能にするブートローダーの読み込み
システムクロックやハードウェア設定の管理

これらの機能により、パソコンの基本動作が保証され、システム全体の安定性が維持されます。

フラッシュメモリーの導入経緯

初期のパソコンでは、BIOSはEPROMに格納され、書き換え作業には物理的な部品交換が必要でした。

しかし、技術の進歩によりフラッシュメモリーが導入され、以下のメリットが実現されました。

ソフトウェアによる簡単な更新が可能
更新作業にかかる時間や労力の削減
システム改善やバグ修正の迅速な反映

この結果、パソコンの性能向上や安定性の改善がスムーズに行えるようになりました。

アップグレードによる性能向上の意義

BIOSのアップグレードは、単なる仕様変更に留まらず、パソコン全体の動作に大きな影響を与えます。

利用環境やハードウェアの進化に合わせ、最適な動作環境を整えるために重要な作業です。

バグ修正による安定性の向上

BIOSのアップグレードにより、以前のバージョンで発見された不具合やバグが修正されることで、以下の効果が期待できます。

システム起動時のエラー発生率の低減
長時間運用時の動作安定性の向上
ハードウェアとOSの連携のバランス改善

安定性が向上することで、業務用パソコンや個人利用においてもトラブル発生リスクが軽減されます。

新機能追加の効果

BIOSアップグレードによって、新たな機能や最適化が追加されるケースも少なくありません。

新機能の導入による効果は以下の通りです。

セキュリティ機能の強化による不正アクセス対策
最新ハードウェアとの互換性向上
システムパフォーマンスの細かな最適化

これらの効果により、パソコンのパフォーマンスだけでなく、セキュリティ面も高い水準が維持されます。

アップグレード前の準備

BIOSをアップグレードする前には、システムの正常な動作を確保するための準備が必須です。

各段階での確認事項や環境整備を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

現在のBIOSバージョン確認方法

BIOSのバージョンはシステム情報画面や起動時の画面で確認可能です。

一般的な確認方法は以下のとおりです。

パソコン起動時に「F2」や「Del」キーを押してBIOSセットアップ画面に入る
セットアップ画面内の「System Information」や「BIOS Version」をチェックする
Windowsの場合は、コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行する

wmic bios get smbiosbiosversion

これにより、現在のBIOSバージョンを正確に把握できます。

データのバックアップと環境整備

BIOSアップグレードはシステム全体に影響を与えるため、データの保護が重要です。

以下の点に注意してください。

重要なデータのバックアップを外部ストレージに保存する
アップグレード中に使用するパソコンの電源が安定しているか確認する
アップグレード中に不要なアプリケーションを終了し、動作環境をシンプルに整える

安全性を高めるための対策をしっかりと行うことで、予期せぬトラブルを防止できます。

必要なツールとアップデートファイルの確認

BIOSアップグレードには、正しいアップデートファイルと専用のツールが必要です。

作業前に以下を確認してください。

パソコンメーカーやマザーボードメーカーの公式ウェブサイトから最新のアップデートファイルを入手する
BIOS書き換え用のツールやユーティリティが最新であるかチェックする
アップグレードに必要なマニュアルや手順書を事前にダウンロードし、参照できる環境を整える

これにより、アップグレード作業をスムーズに進めるための準備が整います。

BIOSアップグレードの手順

BIOSのアップグレード作業は、手順を誤るとシステムに重大な影響を与える可能性があるため、正確な手順に沿って進めることが大切です。

アップデートファイルの取得方法

まずは、使用中のパソコンやマザーボードに対応したアップデートファイルを取得します。

正しいファイルのダウンロードが、成功への第一歩となります。

公式サイトからのダウンロード

各メーカーの公式ウェブサイトにアクセスする
検索窓に機種名やマザーボードモデルを入力し、対応するBIOSアップデートページを表示する
バージョン情報やリリースノートを確認し、適合するアップデートファイルを選択してダウンロードする

必ず正規のサイトからファイルを入手し、不正なファイルを使用しないよう注意してください。

BIOS書き換えソフトウェアの起動と実行

アップデートファイルの取得後は、専用のBIOS書き換えソフトウェアを利用して更新を実行します。

一般的な手順は以下のとおりです。

ダウンロードしたファイルを展開し、ソフトウェアや実行ファイルを確認する
システムの指示に従い、BIOSアップグレードツールを起動する
必要に応じて、アップデートファイルのパスを指定し、更新プロセスを開始する

作業中は画面表示に従い、無理な操作をせずにプロセスが完了するまで待つことが重要です。

作業中のリスク管理

BIOSアップグレード作業中はトラブルが発生するリスクがあるため、事前にリスク管理の手順を整えておくことが求められます。

電源供給の確認

デスクトップパソコンの場合は、安定した電源が供給されているか確認する
ノートパソコンの場合は、バッテリーの残量が十分であるか、ACアダプターが接続されていることを確認する
停電の可能性がある場合は、UPS(無停電電源装置)の使用を検討する

安定した電源供給が、アップグレード作業の成功に直結します。

中断防止対策

アップグレード中は他の作業アプリケーションを終了し、不要なプログラムを起動しない
外部からの操作ミスや強制終了が行われないよう、キーボードやマウスの操作に注意する
万が一、作業が中断された場合に備えて、リカバリーメディアやリカバリーツールを準備する

これらの対策により、更新作業中の想定外のトラブルからパソコンを保護できます。

アップグレード後の確認とトラブルシューティング

BIOSアップグレードが完了した後は、動作確認を行い、問題発生時には迅速な初期対応を行うことが大切です。

以下の手順に沿って、システムの正常動作を確認してください。

動作確認と起動チェック

アップグレード後は以下の確認を行い、パソコンが正しく起動するかを確認してください。

パソコン再起動時にBIOSセットアップ画面が表示されるか確認する
OSが正常に起動するか、デバイスの認識に問題がないかチェックする
BIOS内の各種設定がアップグレード前と同様になっているか、必要に応じて再設定する

問題がなければ、システムの安定性やパフォーマンスの向上が実感できる環境となっています。

不具合発生時の初期対応方法

万一、BIOSアップグレード後に不具合が発生した場合は、以下の初期対応策を講じてください。

BIOSの設定画面でリセット(デフォルト設定へ戻す)を試みる
アップグレード前のバージョンに戻すためのリカバリーモードを確認する
公式ウェブサイトやマニュアルのトラブルシューティング案内を参照し、手順に従って対処する

迅速な対応により、システムへの影響を最小限に抑えることが可能です。

まとめ

BIOSはパソコンの根幹であり、ハードウェアの初期化やOS起動を支える重要な役割を持ちます。

フラッシュメモリーの導入により、ソフトウェアでの更新が簡単になり、バグ修正や機能追加を通してシステムの安定性と性能が向上します。

アップグレード前にはバージョン確認、データバックアップ、必要ツールの整備を行い、作業中は電源供給や中断防止対策を確実にし、アップグレード後は動作確認と初期対応が大切であると理解できます。