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RDS CALとは?リモートデスクトップサービスのライセンス

RDS CAL(Remote Desktop Services Client Access License)は、ユーザーやデバイスがリモートデスクトップサービスにアクセスするために必要なライセンスです。

これにより、企業内の複数ユーザーがサーバー上でアプリケーションやデスクトップ環境を共有利用できます。

RDS CALにはユーザーCALとデバイスCALの二種類があり、使用形態に応じて適切なライセンスを選択する必要があります。

適切なRDS CALを取得することで、法的な利用が保証され、効率的なIT環境の運用が可能となります。

RDS CALの概要

リモートデスクトップサービス(Remote Desktop Services, 以下RDS)は、ユーザーがどこからでも企業のデスクトップやアプリケーションにアクセスできるようにするMicrosoftのサービスです。

RDSを利用する際には、利用者やデバイスごとにクライアントアクセスライセンス(Client Access License, 以下CAL)が必要となります。

RDS CALは、RDS環境に接続するユーザーやデバイスに対して発行されるライセンスであり、適切なライセンス管理は法的遵守だけでなく、運用コストの最適化にも寄与します。

RDS CALには主に以下の2種類があります:

  • ユーザーCAL:特定のユーザーが複数のデバイスからRDSにアクセスする場合に適しています。
  • デバイスCAL:特定のデバイスから複数のユーザーがRDSにアクセスする場合に適しています。

これらのCALは、組織の利用形態や規模に応じて選択され、RDSの導入・運用において重要な役割を果たします。

ライセンスの種類と選び方

RDS CALには、主に以下の2種類が存在します。

それぞれの特徴と選び方について詳しく解説します。

ユーザーCAL

  • 特徴
    • 特定のユーザーに対してライセンスが割り当てられます。
    • そのユーザーは任意のデバイスからRDSにアクセス可能。
    • ユーザーが複数のデバイスを使用する場合に有効。
  • 適用例
    • 在宅勤務やモバイルワークが多い企業。
    • ユーザーが複数のデバイス(PC、タブレット、スマートフォン)を使用する環境。

デバイスCAL

  • 特徴
    • 特定のデバイスに対してライセンスが割り当てられます。
    • 複数のユーザーがそのデバイスからRDSにアクセス可能。
    • 共有デバイス環境で有効。
  • 適用例
    • シフト勤務や共有デスクを使用するコールセンター。
    • 公共の場所で共有されるコンピュータ端末。

選び方のポイント

  1. 利用形態の把握
  • ユーザーが固定されているか、デバイスが固定されているかを確認。
  1. コストの最適化
  • ユーザー数とデバイス数のバランスを考慮し、コスト効率の良いライセンス形態を選択。
  1. 将来的な拡張性
  • 企業の成長や働き方の変化に対応できる柔軟性を持つライセンスを選ぶ。
  1. ソフトウェアアシュアランス(SA)の有無
  • MicrosoftのSoftware Assuranceに加入している場合、ライセンスの移行やアップグレードが容易になる。

RDS CALの取得方法

RDS CALの取得は、Microsoftの公式パートナーや認定販売代理店を通じて行うことが一般的です。

以下に、取得手順と方法について詳しく説明します。

ライセンスの種類の選定

まず、自社の利用形態に適したCALの種類(ユーザーCALまたはデバイスCAL)を決定します。

前述の選び方のポイントを参考に、最適なライセンス形態を選びましょう。

Microsoft認定パートナーの選定

Microsoft認定パートナーやライセンス販売代理店を通じて、正規のRDS CALを購入します。

これにより、ライセンスの正当性が保証され、サポートを受けることができます。

ボリュームライセンスの活用

大規模な導入を予定している場合、Microsoftのボリュームライセンスプログラムを利用することで、割引価格での購入や管理が容易になります。

ボリュームライセンスを利用する際は、事前に条件や契約内容を確認しましょう。

ライセンスのアクティベーション

購入後、ライセンスを適切にアクティベーションする必要があります。

通常、ライセンスキーを指定の方法で入力し、既存のITインフラに統合します。

マイクロソフトのライセンス管理ツールを利用することで、効率的な管理が可能です。

定期的なライセンスの見直し

組織の変化に応じて、ライセンス数や種類を定期的に見直すことが重要です。

ユーザー数の増減やデバイスの変更に応じて、ライセンスを適切に調整しましょう。

導入時の注意点とベストプラクティス

RDS CALを導入する際には、以下の注意点とベストプラクティスを遵守することで、スムーズな運用とコスト効率の向上を図ることができます。

正確なライセンス管理

  • ライセンスの記録
    • 購入したCALの数と種類を正確に記録し、定期的に監査を行う。
  • ライセンスの割り当て
    • ユーザーまたはデバイスに適切にライセンスを割り当て、重複や不足を防ぐ。

適切なライセンスの選択

  • ニーズの分析
    • 組織の実際の使用状況や将来的な拡張計画を基に、最適なCALの種類を選定。
  • 柔軟性の確保
    • 変更や追加が容易なライセンス形態を選ぶことで、対応力を高める。

セキュリティの強化

  • アクセス制御の実施
    • RDS環境へのアクセス権限を厳格に管理し、不正アクセスを防止。
  • 定期的なセキュリティチェック
    • セキュリティパッチの適用や脆弱性の検査を定期的に実施。

パフォーマンスの最適化

  • インフラの適正化
    • RDSサーバーの性能やネットワーク帯域を適切に管理し、快適なユーザー体験を提供。
  • モニタリングとチューニング
    • システムのパフォーマンスを常に監視し、必要に応じて調整を行う。

トレーニングとサポート

  • ユーザー教育
    • RDSの利用方法やセキュリティポリシーについて、ユーザーへの教育を実施。
  • ITサポート体制の整備
    • トラブル発生時に迅速に対応できるサポート体制を整える。

これらの注意点とベストプラクティスを遵守することで、RDS CALの導入と運用が円滑に進み、組織全体のIT効率が向上します。

まとめ

リモートデスクトップサービスのライセンスに関する基本的な情報やRDS CALの種類、取得方法、導入時の注意点について詳しく説明しました。

適切なライセンス選びと管理は、企業のIT環境を効率的かつ法的に適正に維持するために不可欠です。

今後の導入を検討する際には、この記事で紹介したポイントを参考に最適なライセンス戦略を策定していただければ幸いです。

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