【du】 ディスク使用量を表示するコマンド

duコマンドはUnix系システムで使用され、各ディレクトリやファイルのディスク使用量を調べられる機能を持っています。

目的に合わせたオプションにより、総容量や個々のサイズを簡単に確認することができ、システム管理や容量調整の際に有用です。

duコマンドの基本情報

定義と目的

ディスク使用量を確認するためのコマンドとして、duはシステム管理や容量管理の際に利用されます。

ディレクトリやファイルが占めるディスク容量を集計し、数値とパスを出力することで、容量の多いファイルやディレクトリを把握する手助けをします。

これにより、無駄なファイルの整理や最適な容量配分が可能となります。

利用可能な環境

duは主にUnix系のシステム(Linux、BSD、macOSなど)で利用されるコマンドです。

• Linuxディストリビューションでは標準搭載されている場合が多い
• macOSのターミナルでも利用可能
• Windows環境ではWSL(Windows Subsystem for Linux)を経由して利用することが可能です

基本構文とオプション

コマンドの基本構文

duの基本構文は以下の通りです。

• du [オプション] [対象パス]

対象パスを指定しない場合、現在のディレクトリに対してディスク使用量を計算します。

記述例とシンタックス

代表的な記述例は以下のようになります。

du -sh /var/log

この例では、-sでディレクトリ全体の合計サイズのみを表示し、-hで人間に読みやすい形式でサイズを出力します。

サイズ表示の単位指定

出力サイズはコマンドのオプションによって単位が変更できます。

• -hオプションを指定すると、バイト、キロバイト、メガバイトなど適切な単位に自動変換され、直感的に理解しやすい形式で表示されます。
• 必要に応じて--block-sizeオプションを使用することで、特定のブロックサイズに合わせた表示が可能です。

主なオプションの詳細

-hオプションの説明

-hオプションは「human-readable」の略語で、ディスク使用量をKB、MB、GBなどの単位で出力します。

• 小さな数値や大きな数値の場合でも、必要に応じて単位を変換して表示してくれるため、直感的な理解が容易になります。
• コマンド例: du -h [対象パス]

-sオプションの説明

-sオプションは「summary」の略で、指定したディレクトリやファイルの合計使用量のみを出力します。

• 個々のサブディレクトリごとのサイズは表示されず、全体の合計値に絞った結果が得られます。
• コマンド例: du -s [対象パス]

-aオプションの説明

-aオプションは「all」の略で、ディレクトリだけでなく対象パス内のすべてのファイルの使用量も表示します。

• すべてのファイルごとのサイズを確認できるため、詳細なディスク使用状況の把握が可能です。
• コマンド例: du -a [対象パス]

出力結果の解釈

出力フォーマットとサイズ単位

duコマンドの出力は、基本的に各行に「サイズ」と「パス」が表示されます。

• サイズはディスクブロック数または-hオプションを使用した場合は適切な単位(KB、MB、GBなど)で示されます。
• 出力例:

12K    ./tmp
4.0M   ./data

この例では、./tmpは12キロバイト、./dataは約4.0メガバイトの容量を使用していることを意味します。

表示例の分析

表示結果を確認する際は、各行の内容を以下のように分析します。

• 最初のフィールドはサイズであり、計算方法が状況に応じて変わるため、使用したオプションによって差異があります。
• 次のフィールドは対象パスであり、どのディレクトリやファイルが容量を占めているかを示しています。
• 数値の単位が異なる場合、統一した比較を行うために注意が必要です。

結果の活用事例

出力結果を利用することで、システム上のディスク使用状況を把握し、容量不足の予防や不要なデータの整理に役立てることができます。

• 大容量ファイルやディレクトリの特定
• 定期的なディスク使用量の監視
• バックアップやクリーニングの対象の選定

これらの活用事例により、システムの健全性を維持し、運用を効率化することが可能です。

注意事項とエラー対応

アクセス権限に関する留意点

duコマンド実行時には、ディスク上のすべてのファイルやディレクトリにアクセスできるとは限りません。

• 読み取り権限がないディレクトリは、正確なディスク使用量が計算できない場合があります。
• システム保護のために、一部のディレクトリは通常ユーザーではアクセスできない設定となっています。

エラーメッセージの意味

アクセス権限の問題が発生すると、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

• du: cannot access '対象パス': Permission denied

このメッセージは、指定されたパスにアクセスできないことを示しており、その部分のディスク使用量は計算に含まれていません。

対応方法の具体例

エラーへの対応方法としては以下の方法が考えられます。

• 必要に応じて管理者権限でコマンドを実行する(例: sudo du -sh [対象パス])
• アクセス権限を一時的に変更する
• 分析対象から特定のディレクトリを除外するオプションを利用する

これらの方法により、正確なディスク使用量の把握が可能となります。

まとめ

本記事では、duコマンドの基本的な定義・目的、利用環境、構文や主要オプション(-h, -s, -a)の使い方を解説しました。

また、出力結果のフォーマットやサイズ単位、解析のポイント、アクセス権限に関する注意事項やエラー発生時の対処法について説明しています。

これらの知識を通じて、ディスク容量の把握や管理に役立つ実践的な情報を得ることができます。