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450nxとは?Intel製サーバーチップセットで実現する最大8基対応マルチプロセッサSMPシステムの特徴解説

450nxは、Intelが開発したサーバー向けチップセットであり、Pentium II XeonやPentium III Xeonに最適な設計です。

最大4基からオプションにより8基までのプロセッサ接続が可能なSMPシステムに対応し、100MHzフロントサイドバスと最大8GBのEDO DRAM対応メモリを備えます。

また、独立した32ビットPCIバスや4ウェイのインターリーブアクセスにより、高速かつ効率的なデータ転送を実現しています。

450nxの設計構成

Intel 450NXは、サーバー向けに設計された高性能PCIsetであり、複数のプロセッサを接続可能なSMPシステムの核となるチップセットです。

各コンポーネントが協調して動作することにより、高い拡張性とパフォーマンスを実現しています。

プロセッサ接続とSMPシステム

最大4基および8基システムの実現方法

450NXは、基本構成で最大4基のプロセッサを同一サーバーに直接接続することが可能です。

さらに、回路構成の追加により、最大8基までのプロセッサ接続を実現する設計になっています。

  • 4基構成では、標準的なサーバー用途において十分な処理能力を提供
  • 8基構成では、より大規模なデータ処理や高負荷環境への対応が期待できる

この拡張性は、サーバーの運用状況に合わせた柔軟な構成が可能となり、コストとパフォーマンスのバランスを最適化する点で大きなメリットがあります。

プロセッサ間連携の仕組み

複数のプロセッサが効率的に協調動作できるよう、450NXでは各プロセッサ間の連携機能が充実しています。

  • 共通のメモリサブシステムによりデータの一貫性を維持
  • プロセッサ間の通信を最適化し、データ転送の待ち時間を低減
  • 複数のバスを独立して配置することで、あるプロセッサがバスを占有しても他のプロセッサの動作に影響が及びにくい構造

この仕組みによって、システム全体としてのスループットが向上し、多数のプロセッサが活発に動作する環境でも安定したパフォーマンスが得られます。

フロントサイドバスと動作環境

100MHzフロントサイドバス対応

450NXは、最大100MHzのフロントサイドバス(FSB)に対応しており、CPUとメモリ間のデータ転送速度向上に寄与しています。

  • 高速なデータ転送が可能となり、プロセッサの性能を最大限に引き出す
  • 高負荷時でも安定したデータ供給が行える設計
  • 他のシステムコンポーネントと連携して、全体のレスポンス向上に貢献

この高周波動作環境は、最新のサーバーシステムに求められる高い処理速度を支える重要な要素です。

PCIリビジョン2.1および33MHz動作の役割

450NXは、PCIリビジョン2.1に準拠し、最大33MHzのクロック周波数で動作するPCIバスを実装しています。

  • PCIリビジョン2.1の仕様により、広範な周辺機器との互換性を確保
  • 33MHzで動作することで、安定したデータ転送と信頼性を提供
  • 専用のPCI Expander Bridgeを通じて、各PCIバスの占有状況に左右されない通信が実現

このような設計は、システム全体の拡張性と柔軟なデバイス接続を可能とし、サーバー環境で求められる負荷分散機能をサポートします。

各コンポーネントの機能詳細

450NXは複数の専門機能を持つICで構成され、それぞれが特定の役割を果たしています。

以下に、各コンポーネントの機能を詳しく説明します。

Memory and I/O Bridge Controller (82451NX)

82451NXは、メモリとI/Oデバイスを接続するためのブリッジコントローラです。

  • メモリサブシステムと周辺機器との間でデータを効率的に中継
  • プロセッサからの要求に対して、迅速に応答する設計
  • 複数のバス構成において統一管理を行う役割を担う

このコントローラは、システム全体のデータフローの安定性向上に寄与しています。

RAS/CAS Generator (82452NX)

82452NXは、DRAM動作に必要なRAS(Row Address Strobe)およびCAS(Column Address Strobe)のタイミング信号を生成するICです。

  • メモリアクセスのタイミング調整を正確に行う
  • DRAMの動作リズムを制御し、安定したデータ転送を実現
  • 複数のメモリモジュールを持つシステムでも一貫した信号を供給

各タイミング信号の生成により、メモリ動作の精度と信頼性が向上します。

Data Path Multiplexor (82453NX)

82453NXは、複数のデータ経路を一つに統合するためのマルチプレクサ機能を持っています。

  • プロセッサとメモリ、I/O間のデータパスを効率的に切り替え
  • 複数のプロセッサからの要求をバランスよく処理
  • データの混雑を回避するための高度な制御ロジックを搭載

この機能により、システム全体のデータ転送効率が大幅に向上しています。

PCI Expander Bridge (82454NX)

82454NXは、PCIバスの拡張と接続性を高めるためのブリッジとして機能します。

  • 複数のPCIバスを効率的に管理し、システム全体の拡張性を確保
  • 各バスを独立して動作させることで、あるデバイスがバスを占有しても他のバスの影響を低減
  • 高速なデータ転送が要求される環境において、PCIデバイス間の連携を円滑にする

このブリッジにより、PCIバスの帯域が最大限に活用され、システムパフォーマンスが向上します。

PCI-TO-ISA/IDE Xcelerator (82371EB)との連携

82371EBは、PCIバスからISAやIDEなどの従来型インターフェースへの接続を容易にするアクセラレータです。

  • ISA/IDEデバイスとの互換性を確保し、レガシーシステムとの統合を支援
  • PCIバスと従来型バス間のデータ転送を高速化
  • システム全体の拡張性を高めるため、各デバイスの性能を最適化

450NXとの連携により、最新のPCI規格と従来のインターフェースがシームレスに統合され、柔軟なシステム構成が可能となっています。

メモリシステムとインターリーブ技術

メモリシステムは、システム全体のパフォーマンスに直結する重要な要素です。

450NXは、最大容量とデータ転送効率の両面から最適な環境を実現しています。

最大8GB対応EDO DRAM構成

450NXは、最大8GBまでのメインメモリをEDO DRAMで実装できる設計となっています。

  • EDO DRAMは高速な読み書きが可能で、サーバーアプリケーションで要求される高スループットに対応
  • 高い容量を持つことで、大規模データ処理環境にも柔軟に対応
  • メモリモジュールの増設が容易に行えるため、システム拡張にも最適

この構成により、メモリに起因するボトルネックが軽減され、全体のパフォーマンスが向上します。

4ウェイインターリーブアクセスの効果

450NXは、メモリアクセス高速化を目的として、最大4ウェイのインターリーブ技術を採用しています。

  • 各DRAMモジュールに同時アクセスすることで、データ転送の並列性を確保
  • インターリーブアクセスにより、連続したメモリアドレスへの高速アクセスが実現
  • システム全体のスループットが向上し、複雑な計算タスクにも対応しやすくなる

この技術は、多数のプロセッサや高速I/Oが要求されるサーバーシステムで、顕著なパフォーマンス向上をもたらします。

PCIバスの構成と拡張性

PCIバスは、周辺機器とのデータ転送を担う重要なインターフェースです。

450NXの設計では、柔軟なバス構成が可能となるよう工夫されており、拡張性と信頼性を両立しています。

独立した32ビットPCIバスの実装

450NXは、最大4本の32ビットPCIバスを独立して実装することが可能です。

  • 各バスが独立しているため、デバイスごとの帯域占有が他のバスに影響を及ぼさない
  • 複数のデバイスが同時に通信を行う環境で、衝突や待ち時間を最小限に抑制
  • 高負荷状態でも安定した動作が維持される構造

独立性の高いPCIバスは、システム全体の応答速度向上に大きく寄与しています。

64ビットPCIバス構成の可能性

さらに、2本の32ビットPCIバスを束ねることで、64ビットのPCIバス構成を実現することも可能です。

  • 高いデータ転送量が求められるデバイスに対して、十分な帯域幅を提供
  • 64ビット環境により、より複雑な周辺機器や高速通信が必要なシステムに柔軟に対応
  • 拡張性を重視したサーバー設計において、デバイス選択の幅が広がる

この構成は、システムの柔軟な設計と拡張を促進し、将来的なアップグレードにも対応できる点が魅力です。

バス接続方式とPCI-PCIブリッジの工夫

450NXにおけるPCIバスの接続は、通常の直列接続とは異なり、並列にメモリーサブシステムへ接続される方式が採用されています。

  • 各PCIバスが独立してメモリサブシステムと連携するため、1本のバスが占有されても他のバスの通信に影響が出にくい
  • PCI-PCIブリッジを用いることで、各バス間の連携を最適化し、データ転送の効率が向上
  • バス間の競合が回避され、安定したシステムパフォーマンスが維持される設計となっている

この工夫により、システム全体としての帯域幅が効率的に活用され、各種デバイスの接続環境が最適化されます。

まとめ

Intel 450NXは、最大8基のプロセッサを接続可能なサーバー向けPCIsetで、独立したPCIバスや100MHzフロントサイドバス、EDO DRAMを活用した拡張性あるメモリシステムを実現します。

各コンポーネントが連携して動作することで、効率的なデータ転送と安定したパフォーマンスが確保される設計であることが理解できました。

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