450GXとは？Intelが開発した初代サーバーチップセットの特徴と性能解説

450GXは、Intelが開発したPentium Pro向けの初代サーバーチップセットです。

82451GX、482452GX、82453GX、82454GXの4種類のコンポーネントから構成され、最大で4個のプロセッサや4GBのメモリー、複数のPCIバスやEISAバスの拡張に対応します。

さらに、最大4ウェイのインターリーブによるメモリーアクセスの高速化も実現しています。

450GXの開発背景

製品開発の時代状況

450GXは、Pentium Proの時代における初期のサーバーチップセットとして生まれました。

当時、サーバー市場は高い信頼性と処理能力を要求されており、システム全体のパフォーマンス向上が重要課題となっていました。

• サーバー向けに求められる安定した動作と高速なデータ処理の両立が狙いでした。
• マルチプロセッサ対応や大容量メモリの実装を可能にすることで、企業向けシステムの拡張性を実現しました。

Intelの技術戦略

Intelは、革新的な技術を活用してサーバーマーケットへの参入を強化しました。

450GXは、内部通信の最適化と高速なメモリアクセスを実現するために、各コンポーネントが連携する設計思想のもと開発されました。

• 製品ラインアップの中で初めてサーバー専用のチップセットとして、安定性と性能の両面からの評価を狙いました。
• 技術革新を通して、後続のプロセッサーおよびチップセット開発への基盤を築く役割を果たしました。

基本構成と各コンポーネントの役割

82451GX: Memory Interface Components (MIC)

メモリ制御機能と通信の最適化

82451GXは、メモリとCPU間のデータ転送を最適化するコンポーネントとして設計されました。

• メモリコントローラとして、DRAMとの通信を効率化し、システム全体の動作を安定させる機能を担っています。
• チップセット内の他のコンポーネントと連携し、内部通信の調整を行うことで、処理遅延を最小限に抑えています。

インターリーブ技術による高速化

インターリーブ技術を採用することで、メモリアクセスの高速化が実現されました。

• データが複数のメモリバンクに均等に分散され、同時にアクセスできる仕組みが組み込まれています。
• これにより、メモリの待ち時間が短縮され、全体的なシステムパフォーマンスの向上に寄与します。

482452GX: Data Path (DP)

データ伝送機能と内部通信の調整

482452GXは、システム内のデータ伝送を効率化する役割を持っています。

• 各コンポーネント間のデータパスを整備し、速度低下なく情報がやり取りされるよう設計されています。
• 内部通信のタイミング調整機能により、プロセッサーや周辺機器へのデータ供給がスムーズに行われます。

82453GX: DRAM Controller (DC)

DRAM制御機能の概要

82453GXは、メインメモリであるDRAMとの直接制御を担当し、データの読み書きを管理します。

• アドレスとデータの制御信号を統括し、正確なタイミングで情報の送受信を促進します。
• システム全体の安定性を保つため、エラー検出や補正機能も内蔵されています。

メモリアクセス性能の向上要素

DRAMアクセスの効率化を実現するための技術が組み込まれています。

• アクセスパターンの高速化と調整により、データ転送のボトルネックを解消します。
• プロセッサーとの連携を最適化することで、リアルタイムなデータ要求に応える設計となっています。

82454GX: PCI Bridge (PB)

拡張バス接続機能の特徴

82454GXは、システム内部の拡張バスとしてPCIを扱い、周辺機器への接続を容易にします。

• PCIバスとの橋渡しを行い、高速なデータ伝送を支える役割を果たします。
• 内部アーキテクチャの柔軟な拡張性を確保し、後からの周辺機器追加に対応可能です。

システム拡張性への寄与

システム全体の拡張性を向上させるため、複数のバス系統を統合する設計が採用されています。

• 最大2系統のPCIバスに対応しており、複数の周辺デバイスを同時に接続することが可能です。
• 高速なデータ転送と安定した接続により、サーバ全体の性能向上に寄与しています。

高度なマルチプロセッシングとメモリ管理

最大4プロセッサー対応の機能

450GXは、最大4個のプロセッサーを同時に動作させる設計が特徴です。

• 複数のCPUによる並列処理が可能になるため、大規模なサーバーシステムでの要求に応えられます。
• 内部の通信路が最適化され、プロセッサー間の調整やデータ共有が円滑に行われるよう設計されています。

4GBメモリおよび4ウェイインターリーブ技術の実装

システム全体のメモリアクセス効率を向上させるため、最大4GBのメインメモリと4ウェイインターリーブ技術が採用されました。

• 各メモリバンクへの同時アクセスが可能となり、データ処理速度の向上に寄与します。
• サーバーとしての大容量データ処理や多重タスク処理が円滑に行われるため、高負荷な環境でも安定した動作が期待できます。

システム拡張性とバスアーキテクチャ

PCIバスの実装とその利点

最大2系統のPCIバス対応のメリット

450GXは、最大2系統のPCIバスに対応する設計となっており、システム拡張に柔軟性を持たせています。

• 複数の周辺機器を同時に接続できるため、拡張性に優れています。
• 各バスは独立したデータ転送経路となるため、帯域幅の低下を防ぎ、全体的なパフォーマンスを向上させます。

EISAバスとの連携

一部システムでは、EISAバスとの併用が可能な設計が採用されています。

• PCIバスとの連携により、レガシーな周辺機器との互換性を確保します。
• システム全体の拡張性を広げるため、従来からの設計と新しい技術の融合が実現されています。

450GXの技術的影響と市場への寄与

サーバー市場における革新性

450GXは、初代サーバーチップセットとして数多くの革新的な機能を備えました。

• 高速なメモリアクセスやマルチプロセッサー対応は、サーバー市場における新たな標準を打ち出す要因となりました。
• システム全体のエネルギー効率や信頼性が向上し、多くの企業で採用されるきっかけとなりました。

後続製品への技術的インパクト

450GXで実現された技術は、後続の製品に大きな影響を与えています。

• 各コンポーネントの連携や拡張性の高さは、次世代のチップセット開発における基盤となりました。
• 市場における競争力の向上や新たな技術革新を促す原動力となり、Intelの技術戦略において重要な位置を占める役割を果たしています。

まとめ

450GXは、Intelが初代サーバーチップセットとして開発した製品です。

メモリ制御、データ伝送、DRAM制御、PCIブリッジといった各コンポーネントが連携し、最大4プロセッサー対応や4GBメモリ、4ウェイインターリーブ技術による高速なメモリアクセスを実現します。

PCIバスやEISAバスとの柔軟な拡張性を備え、後続製品開発への基盤となった点が特徴です。